2019年01月22日

団員の練習会日記 Vol.268-2019年1月13日

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こんにちは、はじめまして。
クラリネットパートの澤出といいます。
平成最後の年が改まり、厳しい寒さの中にもすがすがしさが感じられる2019年1月13日、本楽団の今年最初の練習が行われました。

次回、当団の演奏会ではモーツァルトとマーラーの交響曲を取り上げます。
モーツァルトは交響曲第31番でマーラーは交響曲第1番、どちらもニ長調の交響曲です。
私は当団の選曲プロセスをあまりよく理解していないのですが、この2名のニ長調交響曲を取り上げる演奏会は、それなりに深い意義があると思います。

マーラーは当時の楽壇の頂点に登り詰めたトップ指揮者でした。
彼の伝記を読んでいると、若い頃から実に多くの歌劇場を指揮者として渡り歩いていたことを知ることができます。
もちろんその中にはモーツァルトも含まれており、1890年12月にブダペストで上演された『ドン・ジョヴァンニ』を聴いたヨハネス・ブラームスは、「本物のドン・ジョヴァンニを聴くにはブダペストに行かねばならない」と語ったと言われています。
また、アルマ・マーラーによると、マーラーの最後の言葉は、「モーツァルトル....!」(モーツァルト、の親称)だったと言われています。
マーラーはモーツァルトの病歴に関心を抱いていて、余命いくばくもないと悟ったとき、自分とモーツァルトのあいだにいくつかの共通点をみつけたのでしょう。
時代も様式もまるで異なる2人ですが、この2人は音楽の都ウィーンを疾風のように駆け抜けてしまいました。
きっとこの2人は音楽そのものでした。

1月13日の合奏は18時20分の開始予定でしたが、「人数も集まっているし、始めましょうか!」のマエストロの一声で10分早く開始しました。
新年早々大変良いことです。
まずはモーツァルトですが、「D-durなので華やかに!」「喜びを持って!」と的確な指示が飛びます。
謎の現代音楽のようだった冒頭の和音は「喜びと勇壮さ」を表す生き生きとした和音へと、田舎の盆踊りのようだった第1楽章のコーダは、オペラの序曲風の生き生きとした華麗なコーダへと生まれ変わっていきます。
合奏は細かく止めては修正していく、というやりかたではなく、大まかな指示をして、あとは流れを重視していこうというものでした。
久々、年明け初回の練習なので、奏者各自に曲を思い出してもらうという意義が大きかったのかもしれません。

「マーラーの交響曲には自然が描写されていると思う。その自然を音色に込めて表現してほしい。」とはマーラーの交響曲に関するお言葉です。
「第4楽章の冒頭は『聖アンデレの殉教』をイメージして」
この指示は、私にはとても興味深いものでした。
というのも、マーラーは友人であり作品の良い理解者であったバウアー=レヒナーに、この曲の主人公は終楽章の最後で死ぬと述べているのです。
もちろんこれは事後的な解釈であり、第2交響曲初演後の発言なので、第2交響曲第1楽章は第1交響曲の主人公の葬儀であるというプログラムにひきつけて語っているのかもしれませんが、常識的な終楽章の捉え方とは違ったこの作曲者の言葉は、ルーベンス最晩年の宗教画に驚くほど相関性が認められると思うのです。
「彼は自分自身に打ち勝ち、第1楽章の主題とともに彼の青春時代の素晴らしい回想が再び出現した後に------死のうちにはじめて勝利を獲得するのです。」

私たちの演奏が心の絶望からの勝利を獲得することができるのかは、、、いまだ未知数ですが、是非その成果を確認に、4/14に墨田トリフォニ―へいらしてくださいね。

次回はフルートパートの才媛、牧田さんです。
posted by brokat at 12:41| Comment(0) | 練習日記